2018/05/15
昔料理人になろうとした時代がある。
大学4年の就職活動は呉服屋のチェーン展開している会社1個だけ面接に行ってやめた。
もう就職活動をする気になれなかった。
なんの職業に就けばよいか分からなかったし、自分のスーツ姿も可笑しかったし、ましてやスーツを着て仕事をする姿が想像できなかった。
当時は、居酒屋の調理場でバイトしていて、ちょっと料理にも興味がわいてきて、自分の店なんかもって、誰からも命令されず、自由に生きられたら最高だろうな、と思っていたのだ。
ヤフー智恵袋
料理人になるには、調理師学校を出なくても、料理屋さんの調理場で修行をすればいいという話を聞きましたが、実際、私のような全くの素人がそのような方法で通用するような世界なのでしょうか?厳しい世界だとは思うのですが、その世界に詳しい方いらっしゃいましたら、色々と教えてくださると助かります。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1213383172
大学を卒業する際、親父に料理の仕事をやりたいと話したとき、全然相手にされなかった。
というより「くいもので蔵は立たない」と罵られ、何を言っても親のいうことを聞かない男として半分諦められていた。
両親にも迷惑かけっぱなしで、自分自身もこのままではダメになるということは分かっていたが、仕事について人生について本当のトコロが分かっていなかったんだと思う。
僕は、親の心配をよそに料理の世界に踏み込んだ。
でも、結局上手くいかず、一年足らずで挫折した。
僕は高校時代から慢性的な十二指腸潰瘍を抱えていて、調理場の激務に耐えられなかったのである。
辞める時には48キロまで体重が落ち、病院で点滴することになり、その職場から逃げるように辞め、料理人の夢は打ち砕かれてた。
その頃、親方からドスの利いた言われた言葉が自分を変えるきっかけとなった。
「おまえ、よく今までいきてこれたなぁ」
この言葉で、僕はこれまで自分の力で生きてきた訳ではないこと、人生の全て親のおかげで生きてこれたこと、一度も何かを成し遂げたことがないこと、が本気で分かった。
体が健康でそのまま料理を続けていたら今頃どうなってたんだろう。
遅かれ早かれ、結局辞めていたかもしれない。
料理人として生きていくのは滅茶苦茶厳しいと思う。
結局は、自由に暮らしたいとか、都合のいい理由で始めたことだし、どのくらいの気持ちがあったのか今では思い出せない。
でも頑張って続けていたら勢いで店なんか出して運よく上手くいってたりして、とも考える。
そうなると、間違いなく料理の腕はイマイチなので、料理の腕ではなく、経営の才が必要になってくる。
結局は潰れていただろうなぁ