2018/05/15
「あ^さん」の弟が死んでしまった。
「あ^さん」は、これまで弟と二人、実家で暮らしていたが、突然、弟が心筋梗塞で亡くなった。
「あ^さん」には、知的障害があり、病院嫌いのため目もほとんど見えなくなり、少し気性が荒く、更に家に人を入れたがらないため、ヘルパーさんでは対応できない。
実家で一人暮らしをすることは、到底無理と判断した。
「あ^さん」の家族は腹違いの兄を除いては、姉も、亡くなった弟も軽度の知的障害があった。
以前から「あ^さん」は、施設で暮らすことは望んでいない。
(これまで、何度か提案してみた。)
「あ^さん」の家族と支援者とで、今後のことを話し合い、これらの周囲の人間達が施設入所を決めた。
「あ^さん」のお姉さんのお子さんにも来ていただいた。
(「あ^さん」から見ると甥っ子)
甥っ子も、やはり軽度の知的障害があるようだった。
姉:弟じゃなく「あ^」が死ねばよかったのにな
甥:母さんそういう事言うな。
お姉さんに悪気は無い。浮かんだ気持ちを、ただフィルターを通さず言葉を発しているだけ
こんなことも言っていた。
姉:俺もだけどょ、うちの家族は皆、頭おかしいなょ。「あ^」よりはまだマシだけどなぁ。
お姉さんに悪気は無い。浮かんだ気持ちを、ただフィルターを通さず言葉を発しているだけ
甥っ子さんは、母親を気遣い、とても気持ちの優しい人だった。
お姉さんの話によれば、自分も含め、甥っ子さんの奥さん、子供も、一緒に暮らす家族全員に知的障害があるようだった。
偽善ぶる訳ではないが、この人達は言葉使いが悪くとも、悪意がある訳ではない。知的障害があっても相対的平等、合理的配慮により、なるべく不愉快な思いをせず生きていける世の中であればいいなぁと考えた。
それは、出生からコレまでの「辛い思い」や「周囲から偏見」を想像してしまったからだ。
お姉さんには、もう一人子がいた。
その子は健常者で独立して、家族とは離れて暮らしていた。
話をすると「母や家族とは距離を置こうと考えている。今回も迷ったが、葬儀の手伝いせざるを得なくて・・」
彼も、当然、ソレが正しいこととは思っていないはずである。
ただ自分の幸せを求めるには・・・そうせざるを得ない。と考えるのが当然の考えだろう。
これまで、ず~と家族と過ごしてきたなかでの「周囲から偏見」それと「当事者でなければ分からない複雑な気持ち」
今は家族から離れ独立して、考えに考えて、口から出た今の考え(感情)である。
彼の考え(感情)も分かる。
その後
「あ^さん」は半場騙されるように施設につれてこられた。
当然「あ^さん」は騙されたという気持ち、悔しい気持ちでいっぱいになった。
後日、面会に行き「あ^さん」にいろいろ説明した。
とても、悲しくて、悔しくて、涙を浮かべていたが「仕方が無いと」少し落ち着いたように感じたが、どうだろう・・・。